はじめての水彩画(静物着彩)についてくわしく説明します。

制作時間1h~3h

ご家庭でも手軽にはじめられる、水彩絵具を使って身近なモチーフを描く「静物着彩」の道具や手順について紹介します。今回はレモンを描きます。

水彩画を始める前にまずは「はじめてのデッサン(スケッチ)」を読んでデッサンをマスターしましょう。デッサンをマスターすると、水彩・油彩・日本画と様々な画材を使って描くための基本的な知識や基礎力が身につきます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-静物着彩-」イメージ画像

STEP.1 必要な道具を揃えてみましょう。

デッサンに使う道具一式

鉛筆、練り消しゴム、スケッチブック、など

詳細については(はじめてのデッサン(スケッチ)カリキュラム【前編】)ご覧ください

モチーフ

はじめはシンプルな形のものを選びましょう。

「はじめての水彩画(静物着彩)-モチーフ-」イメージ画像

水彩絵具

はじめはシンプルな形のものが望ましいです。

「はじめての水彩画(静物着彩)-水彩絵具-」イメージ画像

普段使いのもので構いません。使いやすい中サイズが2本、小サイズが1本あると望ましいです。

パレット

普段使いのもので構いません。筆者はスケッチブックを小さく切ったものをパレットにしています。水を程よく吸い、色の確認もできるのでお勧めです。

「はじめての水彩画(静物着彩)-水彩絵具-」イメージ画像
はじめての水彩画(静物着彩)
はじめての水彩画(静物着彩)

ご家庭でできる水彩絵具を使って身近なモチーフを描く「静物着彩」の講座です。
透明水彩、グアッシュやアクリルなどの不透明水彩など様々な種類の絵具があり、それぞれの特徴があります。はじめての水彩画では、一般的な水彩画の描き方からスタートして、生徒さんの経験値に合わせ丁寧にレッスンします。

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STEP.2 モチーフと描く姿勢をセットしましょう。

光の当たり方、モチーフと自分の位置関係をセットします。

詳しい内容は(はじめてのデッサン(スケッチ)カリキュラム【後編】)ご覧ください

STEP.3 モチーフを見てデッサンを進めます。

デッサン手順についてより詳細に説明をしています。(はじめてのデッサン(スケッチ)カリキュラム【後編】)を一度ご覧ください。

水彩画の場合はデッサンの役割は「形を描く」「簡単な明暗をつけておく」であると意識しておくと良いでしょう。

1. はじめに構図を決めます。

スケッチブックのどのあたりに描くか見当を付けます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-スケッチブックにアタリをつける-」イメージ画像

2. 明暗を観察し描いていきます。

画面全体を意識しながら明暗を描いて行きます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-明暗を観察し描く1-」イメージ画像

3. 明暗を明確にするために描き込みます。

立体感を感じさせるように徐々に形を明確化します。

「はじめての水彩画(静物着彩)-明暗を観察し描く2-」イメージ画像

4. 明暗、表情を描き込んでいきます。

レモン表面のツブツブ感を出すために細かいタッチを使いました。

「はじめての水彩画(静物着彩)-水彩絵具-」イメージ画像

モチーフの明るい部分は絵具の色が綺麗に出るように白く残しておきましょう。

はじめてのデッサン・スケッチ(素描)
もっと詳しくデッサン・スケッチ(素描)を学びたい方

よりデッサン(スケッチ)について深堀りしたい方はオンラインレッスンをご利用ください。道具の使い方やモチーフの捉え方、デッサン(スケッチ)的な描き方を生徒さんの経験値に合わせ丁寧にレッスンします。初回の1時間は「箱」と「丸い果物」をモチーフとしてデッサン(スケッチ)を行います。美大出身のプロフェッショナル講師が丁寧に指導いたします。

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STEP.4 水彩絵具で彩色していきましょう。

5. モチーフの「光が当たって明るい部分の色」を基準に色を作り、塗っていきます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-モチーフの「光が当たって明るい部分の色」を基準に色を作り、塗っていきます-」イメージ画像1
「はじめての水彩画(静物着彩)-モチーフの「光が当たって明るい部分の色」を基準に色を作り、塗っていきます-」イメージ画像2

水彩画は色を重ねて暗くするのはできますが、明るくしたり色の彩度をあげるのは難しい画材です。この時の色は自分で思うよりも少しだけフレッシュな色を選ぶと良いでしょう。

絵具の濃度は基本的に薄すぎず濃すぎす、塗った時に表面がうっすら光るくらいがオススメです。多すぎる水分を拭き取るためにパレットの横にティッシュを置いておくと水分の調整がしやすいです。

光が当たって反射するハイライト部分は白を残す感じで避けて塗ると良いでしょう。

「はじめての水彩画(静物着彩)-モチーフの「光が当たって明るい部分の色」を基準に色を作り、塗っていきます-」イメージ画像3

デッサンにより明暗の基準ができているので全体に一色塗るとそれだけで完成図がイメージできます。

6. モチーフの色をよく観察して全面に彩色していきます。

黄色いレモンの中にも「緑っぽい部分」「オレンジっぽい部分」など色の変化が見られると思います。

特に影色の部分の色は難しさがあると思います。暗い世界を単調な「黒」で塗るというより黒以外の絵具を混色して「暗い色」を作ると画面に色の幅ができて良いです。

7. 影部分も同様に「黒」ではなく色んな色を混色して「暗い色」を作ると良いでしょう。

モチーフの影もよく観察するとモチーフの色が反射して見えたり、部分的に色が違ったり、と色味が見えると思います。

「はじめての水彩画(静物着彩)-影部分も同様に「黒」ではなく色んな色を混色して「暗い色」を作ると良いでしょう-」イメージ画像1

影部分は「色を塗る筆」と「水で濡らした筆」の2本を使い、色を塗る筆で彩色→水で濡らした筆でぼかす、というやり方で行うと綺麗なグラデーションが作れます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-影部分も同様に「黒」ではなく色んな色を混色して「暗い色」を作ると良いでしょう-」イメージ画像2

8. 色味を観察しながらさらに彩色を進めます。

「はじめての水彩画(静物着彩)-色味を観察しながらさらに彩色を進めます-」イメージ画像2

細かい部分の描写も大切ですが、作品を離れて見たり、モチーフと作品を見比べて「色」「明暗のバランス」が再現できているか確認しましょう。

9. 反射光を描きましょう。

「はじめての水彩画(静物着彩)-色味を観察しながらさらに彩色を進めます-」イメージ画像2

地面に反射してモチーフの下面に当たる光を「反射光」と呼びます。

光が当たる明るい面→光が当たって物の表情がよく見える→表面の色の変化や凹凸を描写する。ハイライトの光は紙そのものの白さを使う(パリッとした光)

影になる暗い部分→光が当たっていないので物の表情があまり見えない⇨表情をはっきり描かない、反射光はホワイトを混ぜた絵具で光を乗せるように塗る(ふわっとした光)

このように明るい面、暗い面で差をつけることで光の表情に違いできて絵に立体感が増します。

10. 作品の仕上げです。

明るい面の表情を描き込みます。レモンの凹凸を再現する為、細い筆で細かいタッチを意識すると良いでしょう。

ツルツルとしたモチーフふわふわしたモチーフ、などモチーフの表面によってタッチを使い分けていけるとより良いです!

明るいハイライトが少なく感じたのでホワイトで増やしました。
紙を残して塗った部分と比べて明るさに違いがあるのが見えます。

周りの色味などをよく観察して仕上げていきます。
作業をしていくうちに全体的に濁った色になってきてしまった時は彩度の高い色を上から薄くかけてあげましょう。

「はじめての水彩画(静物着彩)-作品の仕上げです-」イメージ画像

11. 最後に日付とサインを入れましょう。

「はじめての水彩画(静物着彩)-静物着彩-」完成イメージ画像

まとめ

静物着彩は初めにデッサンで明暗をつけておくと色が塗りやすい!

モチーフの色をよく観察しよう!

色が濁らないように注意、離れてモチーフと自分の絵をよく見比べよう。

最後に

今回は水彩画で目の前のモチーフを描く「静物着彩」の一つの描き方をご紹介しました。

水彩画の描き方にも色んな方法があり、そのうちの一つであると認識しておいてください。

全面を絵具で塗る油絵的な描き方もありますし、もっと薄く滲みを生かした描き方もあります。

「こうしなければいけない」「こう描くのが正しい」といった事柄は一つも無く、今回ご紹介した内容を参考にご自身でしっくりと来る描き方を見つけていただければと思います。

また、繰り返しになりますがデッサンや静物着彩は「上手く描く方法」ではなく「観察眼を養う」描き方であると思っています。ご自身やお子様の「見る力」「気づく力」を成長させる取り組みの一つとして、是非ご自宅でも取り組んでいただければと思います。

はじめての水彩画(静物着彩)
はじめての水彩画(静物着彩)

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楽しい時間をありがとうございました。また機会があれば、参加したいとおもいます。

住まいも遠い、仕事をしているなどがあるため、オンラインで個別に対応また、カリキュラムもご対応いただけるようでこの、ペースだったら続けさせてあげられそう、続けたいと思います。毎週は難しいのですが、2週間もしくは1ヶ月に一回ぜひ継続させていただきたいです。よろしくお願いします。

学校では美術の特別研究クラスが始まりましたが、名画の模写など真面目な内容であった様です。昨日の先生のレッスンは自由で楽しかった印象が強く、またレッスンに参加させていただきたいとの感想を持っています。

レッスンではお世話になりました。 また機会ありましたら、どうぞ宜しくお願い致します。

ありがとうございました。弟も参加したいです。

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